Investigation into Overseas Market
2025年度(秋学期)経済学部「海外マーケット調査」が開講しました。

2025年11月5日

2025年度秋学期より、明治学院大学経済学部において「海外マーケット調査」の講義を開講しました。同講義の開講目的は、国際ビジネス、それを取り巻く環境も含め、それらの事情を理解することで、それぞれの分野に精通する講師を招いて講義を進めていきます。
 昨年度に引き続き、2025年度も台北駐日經濟文化代表處に支援をお願い、講義を開講しました。台北駐日經濟文化代表處は、日台関係に係る台湾側の代表機関です。なお、同代表処は本学の徒歩圏にあり、同じ港区白金台にオフィスがあります。他にも、札幌、横浜、大阪、福岡、那覇にオフィスを設けており、領事関連の業務を行っています。
 本学での特別講義は、同代表處及び代表處教育部より推薦を頂いた講師をお招きし、台湾に関して経済貿易、国際ビジネスだけではなく、政治経済、歴史、文化、教育、観光など、幅広く取り上げ、日台関係に関する特別講義を開講します。これまでの講義概要、講師の紹介、講義の様子は以下のとおりです。

  • 9月24日 台北駐日經濟文化代表處 黄冠超教育部部長を囲んで記念写真
     台北駐日經濟文化代表處の黄冠超教育部部長より、台北駐日經濟文化代表處の概要及び業務について紹介があった。
  • 9月24日 台北駐日經濟文化代表處 黄冠超 教育部部長
    テーマ「台湾教育交流の回顧と展望」
     2025年度の担当教員より、同講義の日程と開講目的に関して説明がありました。続けて、台北駐日經濟文化代表處の黄冠超教育部部長より、同代表処の業務について紹介、後に「台湾教育交流の回顧と展望」というテーマでお話がありました。黄教育部長は、台湾の日本植民地統治時代の教育について「戦前の日本教育のレガシー」という名称で紹介がありました。しかし、戦後は日本的なものが排除され、1972年には日台間の国交断絶以降、日本からの影響は減少し、教育交流にも数々の制限があったものの、21世紀以降は日台間における交流の多様化が進んだとのことでした。近年の日台間の教育交流は、高校生の修学旅行先として台湾が選ばれるなど、盛んに行われているとのことでした。
  • 10月1日 ファブリッジ 御堂 裕実子合同会社代表
    テーマ「台湾現代事情」~成長戦略は台湾に学べ」
     本学経済学部卒業生の御堂代表より、一昨年前に出版された同氏の著書である「成長戦略は台湾に学べ」と同様のテーマで講義を頂きました。御堂氏は本学経済学部卒業生で、大学在学中は台湾に特別関心があったわけではないとのことでした。しかし、卒業してから就職、数年後に留学を検討していた時、偶然得られた行き先が台湾であったとのことでした。台湾との出会いは、まさに偶然の発見(セレンディピティ)といえるかもしれません。御堂氏は台湾滞在中に、常に日本のことを気にかけてくれる台湾人に気づいたとのことでした。中でも2011年春に東日本大震災が発生した際には、台湾から最大級の寄付や支援がありました。そこで御堂氏が「日本と台湾を両想いにしたい!」という動機から、それを実現するために合同会社であるファブリッジを立ち上げたとのことでした。
  • 10月8日 台北駐日經濟文化代表處による雙十節の式典:李逸洋駐日代表
    雙十節の式典にて、李逸洋駐日代表夫妻を囲んで記念写真、右側は新潟産業大学セン(詹秀娟)名誉教授
     台北駐日經濟文化代表處による雙十節を祝う式典が都内ホテルで開催されました。2025年度の「海外マーケット調査」の担当教員が招待を受け、式典に参加しました。会場で台北駐日代表處の李代表及び関係者らに祝辞を伝えると同時に、本学における講義開講への御礼と支援をお願いしました。
  • 10月15日 林佩芬 講師 中国語文学会前会長
    テーマ「台湾と言語」
     台湾は九州とほぼ同じ面積ですが、他民族社会であり、多言語社会といわれています。林講師は、台湾が多言語社会であるのは歴史的な背景があると紹介しています。台湾では、祖先や家族の出身地だけではなく、世代によって母語や得意言語が異なることがあると説明しました。加えて、講師自らの家系図を事例として、出身地だけではなく、代々の母語や得意言語等が世代ごとに異なる事例を紹介、日本の状況とは大きく異なるという説明がありました。なお、台湾は近年、言語や文化の多様性を再認識する教育が進められており、教育現場に取り入れられているとのことでした。外国人と共存が増加している日本社会やコミュニティにおいて参考となる話でした。
  • 10月22日 新潟産業大学 詹 秀娟(セン シュウケン)名誉教授
    テーマ「台湾の歴史・食文化・日台交流」
     台湾観光の魅力として美食が有名です。詹(セン)先生は、台湾の食文化が発展した背景には、台湾の地理的要因だけではなく、台湾の歴史も影響を与えていると説明がありました。台湾の歴史は、古代において太平洋を渡ってたどり着いた先住民族、大航海時代における欧州列強の植民地時代、明や清の時代に海峡を渡ってきた華人、20世紀初頭の日本統治時代、戦後の国民党による統治など、それら歴史的な融合が台湾の食文化に影響を与えていると説明がありました。後に、台湾の食の事例として、庶民の食や点心、南国フルールなど、日本で注目される台湾グルメを紹介、自ら撮影した写真を交えながら、食文化を中心とした日台交流に関する話がありました。
  • 10月29日 チャイナエアライン東京支社、張部営業長、神崎営業担当、奥村マーケティング担当
    テーマ「About China Airlines」
     本学では航空業界を対象としたキャリアプログラムを開講しており、キャリアセンターの協力を得て他学部学科学生にも講座を開放しました。
     チャイナエアライン東京支社の営業及びマーケティング担当の方により、同社の事業と日本市場のマーケティングについて話をうかがいました。同社は台湾のフルサービスキャリア(FSC)の航空会社ですが、子係会社に華信(FSC)、タイガー・エアライン(LCC)を有している台湾に本拠地を置く外資系航空会社です。日台間の人の往来について、一世代前は、日本から台湾への渡航客は倍以上いました。しかし、近年は台湾からの日本への渡航者が倍増しました。今年は600万人を超えると想定され、今や台湾全人口の4人に一人が来日するほどの人気路線になっていると紹介がありました。質疑応答の際には、学生より航空業界や外資系企業への就職に関する質問があげられました。また、企業のマーケティングに関して、機内食のタイアップ、飲食業界とのコラボなど、参加学生からの意見やアイデアもあげられました。